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手間をかける

こんにちは

気持ちの良い季節ですね

 

今日は「手間をかける価値」の話です。

僕自身、便利な世の中の恩恵を受けて、手間をかけることがめっきり減った生活を送っていますが、今回は手間の価値を教えていただきました。

 

きっかけは

スタッフが利用者さんから味噌汁の話を聞いたことから始まります。

ある日の朝、そのスタッフから

「味噌汁を煮干しと昆布と鰹節でつくって食べてもらいたいんですけどいいですか?」

と、いつもの最高の笑顔で聞かれました。

理由は利用者さんが「出汁の効いたお味噌汁が懐かしい」のような事を聞いた事が脳裏に残っているからとのこと

 

早速昨日今日でその味噌汁づくりしたのですが、

その味噌汁ができる過程や結果がとっても最高でした。

 

まず

普段は個室で過ごされ、できれば人と多くは関わりたくないと口にされていた方の部屋にいき、

元々家庭科の先生をしていたエピソードを聞き、

出汁のとり方を教えてもらい、

実際に煮干しの頭や腑も取り除いていただいていました。

その利用者さんの、真剣な顔、慣れた手付きは、普段のゲストの様子ではなく、まさに一員でした。

また僕は利用者さんの可能性を縮めてしまっていたと反省させられました。

 

その翌日、今日です。

昼前から、みんなで準備をして、最後に利用者さん1人1人が鰹節を投入。

りいふ中が懐かしい、素晴らしい香りで包まれていました。

 

「最近は匂いがよくても味がしない」と話していた方が「おーいしい」と口にされたり、

今回のきっかけとなった「懐かしい味をもう一度」の方も、曲がった指でしっかり茶碗を握り「美味しいねぇ」と口にされていました。

ある方は後から来所された利用者さんに、「みんなで作った味噌汁」と嬉しそうに紹介されていたそうです。

 

僕も一口啜ると、昔自分の母が煮干しでとってくれて銀色の鱗が少しだけ浮いた赤だしの味と、共働きで大変な中、子供を思い手間をかけていてくれた母の顔が蘇りました。 

 

簡単に作ろうと思えば、スタッフが出汁の素を使ってすぐにできる。

それでも十分美味しいけど

手間をみんなでかけて味わった一体感、想像を超える感動、記憶を蘇らせる時間

そんな経験に敵いません。

 

便利になったからには時間が余るはずなのに、その時間を何に使っているか。

使い道がないなら、手間をかけて、思いを注ぎ込んで、過程も楽しむこと

そんな大切な価値を教えてもらいました。

ありがとうございました!

小森

 

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